課題

機能的設計のテストとフィードバックに信頼性の高い正確な部品を使用して、R&D プロセスを簡素化およびスピードアップする。

ソリューション

3D Systems の Figure 4 Standalone と Figure 4 PRO-BLK 10材料 を使用して、耐久性があり機能的な同日プロトタイプを作成する。

結果

  • 同日の部品生産およびテスト。
  • 複数回の水中テストに耐え得る部品。テストは時速 15~20 マイルで 1~2 時間続行。
  • 部品の正確性により確実なテスト結果を入手。

米国サンフランシスコベイエリアにオフィスを構えるKAI Conceptsは、水中翼システムの建造、テスト、制御に関する優れた専門知識を有したチームで問題解決に創造的に取り組んでいます。最新の画期的な製品 Jetfoiler は、初心者から上級者まで、またすべての年齢層のライダーを対象にした電動水中翼サーフボードです。Jetfoiler が打ち出す「安全で楽しい製品」というミッションの背景では、徹底した厳密な研究と開発が行われています。バッテリーとモーターの技術から防水加工まで、KAI Concepts 社が達成した研究開発のすべてが現在の可能性の限界を押し上げ、イノベーションを推進しています。

同社でロジスティクスと運用を統率する Kai Calder 氏によれば、3D Systems の Figure 4® Standalone 3D プリンターと先進の材料が研究開発に大いに貢献し、プロセスの時間を削減して、信頼性の低いプロトタイプを排除できたといいます。高速なプリント速度により、同日にコンセプトをテストできるだけでなく、耐久性の高い部品は過酷なライディング条件にも持ち堪えます。Calder 氏は、Figure 4 プリントの精度と機械全般の使いやすさは、研究開発ラボで欠くことのできない信頼のおける存在だと述べています。

KAI Concepts 社、Figure 4 テクノロジーにより水中翼の R&D を促進
KAI Concepts 社の研究開発は、バッテリーやモーターの技術から防水加工まで、長年にわたりイノベーションの限界を押し上げています。

プリント速度が反復を短期化して同日部品生産を可能に

Figure 4 Standalone を導入する前、KAI Concepts 社では、3 倍とは言わないまでも、造形の完成に 2 倍の時間を要する競合のデスクトップシステムを採用していました。Figure 4 のプロジェクターベースで非接触型造形テクノロジーを導入したことにより、プリント速度を促進できただけではなく、プロトタイプの精度も向上されたため、収集データの品質とスピードも改善されました。

Figure 4 への移行は生産性に大きな効果をもたらすと同時に、部品のテストと評価を促進することで、開発において大幅な進歩が得られました。以前は丸一日かかっていたプリントが現在では 30 分で完了するため、その日の午後には後処理を施し、テストできるようになったのです。

「1 日の終わりには、すでに修正済みの設計案に取り掛かっています。設計と反復のプロセス全体が大幅に削減されました」と Calder 氏は語ります。

部品の形状によっては、スループットも改善されているといいます。シム設計を例に挙げると、同社はこれまで 1 回の造形でせいぜい 5~6 個の部品しかプリントできませんでしたが、Figure 4 なら一度に約 10 個の部品をプリントできます。

KAI Concepts 社製の水中テスト用 Figure 4 部品
Figure 4 部品は、時速 15~20 マイルの複数回の水中テストに持ち堪えます。

信頼性の高い部品精度により信頼性の高いテストデータを生成

Calder 氏は、速度のみならず、同社の用途には非常に重要な部品の精度も大幅に改善されたと指摘します。KAI Concepts 社がテストする製品では、プリントに不備があれば、結果にも不備が現れます。同氏は、Figure 4 Standalone は、使用の都度、正確な部品を生成するといいます。「シムのような部品にとって、精度は極めて重要です。「わずかな差であっても、不正確な結果となってしまいます。」

精度が求められる他の部品には、コルトノズルと呼ばれるものがあります。これは、プロペラの推力を改善するため、翼部分に組み込まれています。同氏は「この部品をうまくプリントできれば、機械の精度を間違いなく発揮できます。この部品には細微なディテールすべてと翼のより小さな部位が含まれています。これは、パフォーマンスの改善と信頼性の高いデータの取得に実際に貢献するためです」と語ります。

Figure 4 でプリントされた部品は、KAI Concepts 社と機械オペレーター間のコミュニケーションツールとしても使用されます。製品発売前に正確で精度の高い参考部品を入手できれば、企業は問題を解決して、より良い結果を得るために設計を再調整できます。遅れを回避できるだけでなく、ツーリングの変更により生じる余分な費用を部品の発注時に負担する必要もなくなります。

Figure 4 テクノロジーを使用した KAI Concepts 社製 Jetfoiler プロトタイプの水中テスト
Calder 氏によれば、厳格にテストされた KAI Concept 社の Figure 4 部品を使用すれば、テクノロジーの耐久性を証明できるといいます。

実際の環境で複数回のテストに耐え得る材料

アディティブマニュファクチャリングの場合、プリンタの生産性は、その用途に適した材料の質に左右されます。KAI Concepts 社は、以前に使用していた 3D プリンタと材料では、材料の脆さが原因で部品が破損してしまうため、わずか 10~15 分程度しかテストを実施できずにいました。その点、量産グレードの材料 3D Systems Figure 4™ PRO-BLK 10なら、1~2 時間の水中ライディングで、最後まで部品をテストすることができます。3D Systems の Figure 4 PRO-BLK 10 は、熱可塑性樹脂のような機械特性と長期的な環境安定性を備えた、精度が高い量産グレードのアディティブマニュファクチャリング用材料です。

「当社が実践している方法で部品を作成し、使用できているという事実が、部品の耐久性を何よりも証明しています」と Calder 氏は語ります。ライディングでは、Jetfoiler とその Figure 4 テスト部品は時速 15~20 マイルで水中を走行しますが、部品は数回に及ぶ比較テストに持ち堪えます。

モーターマウントからプロペラガードやコルトノズルまで、さまざまな部品を製造していますが、それぞれがテスト中にライダーが繰り返すカービング負荷やモーターが生成する振動に持ち堪えています。部品は、サイズの点でも同様にさまざまであり、Figure 4 ビルドプレート以上のサイズのものもあります。KAI Concepts 社では、プラスチックねじのインサート用またはガイド用のを穴を残しつつ、アセンブリ用のコンポーネントを複数個の部品としてプリントし、機能性と耐久性の面で大きな成功を収めています。

「部品完成までのリードタイムを短縮するとともに、何度も繰り返し再使用できるよう、部品寿命を延ばすことに成功しました。3D Systems の材料に関する知識のお陰で、部品の品質を改善できました」と同氏はいいます。

3D Systems Figure 4 テクノロジーを使用して KAI Concepts 社で 3D プリントされたリモートコントローラーのプロトタイプ
Figure 4 を使用した 3D プリントにより、KAI Concepts 社は部品のテストと評価を大幅に促進しました。

簡潔な移行で生産性を向上

Figure 4 は使いやすいため、KAI Concepts 社はそのメリットを存分に享受しており、Figure 4 の研修をターンキー体験と呼んでいます。時には 3D Systems の 3D Sprint® ソフトウェア を使用して、プリントに送信する前にファイルを修正しています。Figure 4 はマシンの学習や使用も非常に簡単だと Calder 氏はいいます。

「とてもスムーズに移行できました。当社のこれまでの功績を他社に誇示できているわけですから、3D Systems が謳う材料のメリットを確実に享受していると言えるでしょう。そのお陰で、当社は常に業界の最先端におり、限界に挑戦し続けることができるのです」と同氏は結びました。