rms Company は、アディティブ マニュファクチャリング (AM) 産業のパイオニア 3D Systems とのパートナーシップを通して、医療機器の OEM に向けて粉末から梱包までを網羅する総合的機能の提供を開始しました。粉末から梱包までを網羅する総合的機能には、デジタル ファイルから手術器具用の滅菌梱包済み製品の生産までに必要な、製造から後処理までのワークフロー全体が含まれています。4 年にわたり、3D Systems は、ダイレクト金属プリンタのポートフォリオ拡大に向けてrms を支援しています。プリンタおよびサプライ チェーン全体での再現性を保証するプロセスが実証されているプリンタを 1 基から 30 基へと増設することで、真の生産拡大が実現されました。

「3D Systems がその技術によってヘルスケア業界に進出していることも、3D Systems が非常に優れたパートナーとして実績があることもよくわかっていました。彼らが学んだ教訓を共有し、機器の適切な使用方法や全面的な品質管理の仕方の指導など、さまざまな支援を提供してくれます」  

- rms のアィティブ マニュファクチャリング部門責任者、Troy Olson 氏 

rms での金属 3D 脊髄インプラントの生産ビルド

課題

医療機器の AM 生産拡大に向けた移行

整形外科の分野で AM の外注を成功させるには、AM に関する深い知識を備えた契約製造業者を抱える相手先商標製品の製造会社 (OEM) が必要です。50 年以上にわたり、rms は従来型のサブトラクティブ マニュファクチャリング製法を採用する医療機器コンポーネントの一流メーカーとしての名声を築いてきました。アィディブ マニュファクチャリングの発展と進化を見守ってきた rms は、他の製法では製造不可能な機能を備えた AM インプラントによって、顧客により多くの可能性を提供する機会を見い出したのです。

多孔構造の金属 3D プリント製医療機器の内部の様子
rms ではアディティブ マニュファクチャリングによって、他の製法では製造不可能な機能を備えたインプラントを生産しています。

ソリューション

01 実績あるヘルスケア ソリューション

rms は、世界最高クラスの品質に対する評価の強化と拡大を目指していたため、アディティブ マニュファクチャリング技術の選択に慎重でした。数々の選択肢を調査した結果、ヘルスケア用途での成功実績をもとに、同社は 3D Systems を選出しました。2021 年時点で、3D Systems は 200 万台以上の医療機器の製造実績を有し、90 FDA 認可済みおよび CE マーク取得済みの機器に対応しています。

rms の事例のように、3D Systems のお客様中心のアプローチでは、直接のパートナーシップ提携や製造業者との契約により、新製品発売を目指す市場進出戦略を OEM が促進できるよう支援します。rms がその幅広いポートフォリオにアディティブ マニュファクチャリングを問題なく統合できるよう、3D Systems は rms の知識不足を補い、早期から確固とした協力体制を組みむことで支援を開始しました。

02 技術援助

3D Systems のアプリケーション イノベーション グループに長年に渡って蓄積された専門知識から最善の指導を受けることで、rms は多くのことを学んできました。3D Systems のヘルスケア チームによるコンサルタントと 3D Systems が提供する技術移行サービスにより、rms は AM の導入で推測に頼ることなく、新しい製造プロセスへの移行を合理化することに成功しました。「3D Systems からは多大な支援を得ました。多くのことを短時間で学ぶ必要があり大変でしたが、おかげで AM を確実に実施するための人材とノウハウを確保できました」と rms の社長 Lee Zachman 氏は語ります。

3D Systems は、プリント結果の品質を保証しつつ、rms が金属プリントの導入に要する時間を大幅に削減できるよう支援しました。技術移転では、すでに開発されているプリント ファイルとプロセスを活用するほか、専門的なアカウント管理、コンサルティング、認定済み AM 生産プロセス全体に関するトレーニング、設置サービスも実施します。また、機械の運転、プリンタのプログラミング、プリント用ファイルの設定、部品のサポートと向き、部品の後処理など、特殊なタスクの実施方法にも重点を置いています。

3D Systems の DMP プリンタが設置された rms のアディティブ マニュファクチャリング フロア
3D Systems は、ダイレクト金属プリンタのポートフォリオ拡大に向けて rms を支援し、4 年間で 1 基から 30 基へと増設。

03 高品質の金属アディティブ

AM 産業に特化した専門知識に加え、3D Systems ではプリント品質や材料特性の観点で理想的なアディティブ ソリューションを提供しています。このようなソリューションは、rms が製造するインプラントなどの部品には必要不可欠です。3D Systems のダイレクト メタル プリント (DMP) システムの非常に優れたの酸素レベル (<25 ppm) と不活性プリント雰囲気により、高化学純度を実現した抜群の強度と精度に加え、医療機器の OEM がインプラントを製造するために必要な再現性が保証されます。部品ごとに同一のデジタル データを使用することで大々的な補正の必要性を回避でき、すべての DMP プリンタで同じ結果を生み出すことで、3D Systems のプリンタによる生産拡大を実現できます。rms では、旧型の DMP プリンタと DMP Flex 350 を組み合わせて使用しています。

04 拡張可能な生産

初めて AM 機器を導入したことで、rms 社内の専門知識が飛躍的に深まりました。rms では、熱処理、仕上げ、研磨、クリーニング、梱包、滅菌処理の管理など、製品の出荷に向けてあらゆるプリント後の処理を実施しているだけでなく、材料とプリントされたテスト バーのテスト用に社内ラボを所有しています。3D Systems とパートナーシップを組むことで、このような作業は数十年にわたる AM の経験によって支えられ、rms は、新しいテクノロジーとプロセスへの投資を守りつつ、AM の導入を合理化して促進することができたのです。

Zachman 氏は「脊髄インプラント以外にも、多くの機会を見い出しており、当社は現在、大変有利な立場へと躍進できました。ここに到達するまで、大変な努力を重ねてきました」と語っています。現在、rms ではアディティブ部門を再構築し、エンジニアリング、品質、運用を統率する専任メンバーがそろった単独の事業部門として社内に設置されています。

結果

社内に専門知識による AM 生産能力

  • 生産を拡大

    ダイレクト金属プリンタを 4 年間で 1 基から 30 基へと増設

    社内の AM 専門知識が拡大

    AM ヘルスケアのエキスパートの指導のもと

  • DMP プロセスの再現性

    DMP 機器全体で大々的な補正を回避

    機会が増大

    脊髄インプラント以外の可能性