LGM、SLA プリンティングのアウトソーシングで不動産展示モデルを完成
これほどの規模のプロジェクトで納期を守る鍵となったのは、3D プリントの外注でした。

コロラド州スノーマスにある Snowmass Base Village のマーケティングモデルを制作する仕事を入札で勝ち取った LGM 社は、大きなプレッシャーを伴う注目度の高い仕事を引き受けることになりました。顧客である East West Partners は 10 フィート x 4 フィートのインタラクティブな外観モデルを、多くの人が訪れる 2017 年の休暇シーズンに間に合うように準備し、設置する必要がありました。タブレット端末で操作できる LED 照明を個々のユニットに対応させ、完成したモデルはセールスおよびマーケティングエクスペリエンスに欠かせないものとなります。「感謝祭とクリスマスはスノーマスの繁忙期にあたります。もし間に合わなければ、お客様は潜在的な売上を逃すことになり、当社の手に負えなくなるところでした」と、LGM 社のシニアプロジェクトマネージャ、Jason Berghauer 氏は話します。LGM 社は品質を低下させることなく納期を守るために、3D Systems高品質の SLA 3D プリントによるモデル生産を外注しました

3D Systems の製造サービスを利用することで、LGM 社は高解像度の SLA プリントテクノロジだけではなく、3D Systems の大容量のマシンと後処理の専門技術も活用することができました。「プロジェクトの制限事項を考慮すると、3D プリントを 3D Systems に外注しなければ、このプロジェクトを成功させることはできなかったと思います」と Berghauer 氏は述べています。

LGM は、最終建築物のファサードを模倣するためにデジタルテクスチャリングを使用
デジタルテクスチャリングを使用して、プリントした最終モデルに必要に応じて石、レンガ、サイディングの外観を施しました。

厳しい納期で細密なディスプレイを制作

LGM 社はフルサービスで建築模型を提供する国内有数の企業の一つであり、世界中の代表的なプロジェクトのモデルを生産することで成功を収めてきました。Snowmass Base Village プロジェクトの品質とスケジュールの要件を考え、LGM 社は SLA プリントが 1 インチ = 16 フィートのモデルに最適で最も迅速なアプローチであることにすぐに気づきました。「採用したスケールに合わせて、公差の厳しい 3D プリントテクノロジが必要でした」と Berghauer 氏は述べています。「いくつかの建物サイズに対応するために、大型マシンも利用する必要がありました」。3D Systems の製造サービスを何度も利用していた LGM 社は、SLA プリントによる外観モデルの制作を 3D Systems に依頼しました。

LGM 社のシニアプロジェクトマネージャである Patrick Fleege 氏は、厳しい公差を達成できる SLA により、クライアントの期待に応える複雑な精細モデルを制作することができたと述べています。「SLA がなかったら、これほどのレベルの最終的なディテールや表面仕上げは手作業でしかできなかったでしょう」と Fleege 氏は語ります。

従来の手法ではレーザーカットでテクスチャやディテールを追加していましたが、LGM 社は 3D モデリングと 3D プリントを活用したデジタルアプローチにより、同じ結果を得るために必要な手作業を大幅に削減することができました。LGM 社のモデリングチームは CAD ファイルにデジタルテクスチャスタンプを適用し、必要に応じて最終プリントに石、レンガ、サイディングの外観を与えました。

SLA プロセスは細かいディテールを表現するのに有効であり、また、材料の選択肢によって最終的な構造の耐久性を高めることができました。「3D Systems の SLA プリントの ABS ライクな特性により、一部のディテール要素をさらに細かく作り込むことができ、他の方法で作るよりも弾力性に優れた強度の高い部品が得られました」と Berghauer 氏は述べています。3D Systems の SLA では、形状、方向、造形モードに応じて 0.1 mm または 0.004 インチという小さなフィーチャを安定して生産できます。最終モデルには寸法が 20 インチ x 18 インチ (508 mm × 457 mm) と大きいものもあったため、3D Systems の製造サービスを通じてより大型の造形プラットフォームを利用できたことも LGM 社にとって有益でした。

このプロジェクトの規模とディテールを考えると、他の建築モデリング手法では、与えられた時間内に期待される品質を達成することは不可能だった、と LGM 社は述べています。しかし、利点はスピードだけではありませんでした。Berghauer 氏によると、3D プリントの使用を決定したことで、従来のレーザーカットモデルと比較して、最終的なプロジェクトコストを約 3 分の 1 削減することができました。

約 250 個の SLA ピースを作製し、モデルを完成
合計で約 250 個の個別ピースをプリントし、建物のシェル、外装、景観フィーチャのすべてを制作しました。

簡単なオンライン注文で短納期を実現

通常、LGM 社はリアルな建築模型を作るために、模型の層を重ねる手法で、日常生活で見慣れたダイナミックなファサードを模倣しています。LGM 社はクライアントから提供された CAD データをもとに、建築ジオメトリの処理に関する豊富な経験を生かして、特定のディテール要素を個々の部品として分離し、プリントすることに成功しました。その中には、石造りの橋脚や柱、LGM 社が「ライトコア」と呼んでいるものが含まれています。ライトコアは内部の建物シェルと外装カバーで構成され、その間にフロストアクリルで裏打ちされた窓方立のためのレイヤがあります。LGM 社はオーストラリアの Lightswarm の協力を得て、タブレット端末で操作するインタラクティブな照明システムを設計、設置しました。建物のシェルや外装、景観フィーチャなどを含めると、3D プリントの部品はおよそ 250 個に上りました。

LGM 社は事前に価格を把握するために 3D Systems のオンライン見積もりシステムを使用しました。このシステムでは、ユーザが選択した技術、材料、スケール、仕上げに基づいて部品コストをプレビューできます。このわかりやすい機能により、LGM 社はプロセスの早い段階でコストを正確に見積もることができました。「ファイルをアップロードして、大まかなコストを計算し、それを全体の見積もりに反映させる機能がありました」と Berghauer 氏は述べています。LGM 社は 3D Systems を 3D プリント部品サプライヤとして正式に選定した後、3D Systems の専任製造スペシャリストと連絡を取りました。この専任製造スペシャリストが質問に答え、ファイルサイズが大きい場合は見積もりを直接提供します。

3D Systems の SLA により、ディテールをより細かく作り込み、より強度の高い部品を制作することが可能に
3D Systems の SLA の ABS ライクな特性により、ディテールをより細かく作り込み、より強度の高い部品を制作することが可能になりました。

高品質の 3D プリントと自社内での仕上げのシームレスな融合

マスキング、エアブラシ、塗装、組み立てなどの LGM 社の下流プロセスに、部品がシームレスに統合されています。「すぐに使える部品を受け取り、時間を大幅に短縮できたことは、このプロジェクトを時間内に完了できた大きな要因の一つです」と Berghauer 氏は付け加えました。

3D Systems が部品注文をプリントしている間、LGM 社は空いた時間を活用して他のプロジェクトのマイルストーンを達成し、より少ない時間でより多くの作業を行うことができました。LGM 社は基本的に、より良いサービス、より短納期、よりコスト効率に優れた製品を提供する手段として 3D プリントを使用していくだろう。と Berghauer 氏は説明しています。しかし、この特別なプロジェクトでは、3D プリントがより重要な役割を果たしました。「結局、SLA 3D プリントを外注できたことが、このプロジェクトの獲得に繋がります」と Fleege 氏は述べています。「3D Systems のサービスを利用することで、競争を勝ち抜くことができました」