3D スキャニングは可能性を広げます。物理世界の物体を何でもキャプチャして、数分でデジタルモデルを作成することができたらどうでしょう。

想像するまでもありません。日々、多くの企業が 3D スキャナーとソフトウェアを使用して実際に次の作業を行っています。

  • リバースエンジニアリングにより、設計図面のない物理部品の CAD モデルを作成して、既存製品を最新化して新しい製品を生産。
  • 製造部品を CAD 設計と比較することで製品品質を検査。
  • ヘルスケア、デンタル、ファッションなどマスカスタマイズ製品を製造。
  • 造形物全体をスキャンして正確な 3D モデルを作成。
  • その他多くの作業。

3D スキャナーと関連ソフトウェアは、今では、多くの企業の手が届く手頃な製品になっています。スキャナーはより高速に、価格はより低く、精度はより向上しています。3D スキャンを処理するソフトウェアは、より自動化が進み、より優れたデータを作成し、かつてないほど高速に機能します。

3D スキャナーとは?

3D スキャナーと呼ばれるデバイスには多くの種類があります。レーザー、光線、X 線を使って物理オブジェクトを測定して、密度の高い点群やポリゴンメッシュを生成するデバイスは、いずれも 3D スキャナーとみなされます。これらのデバイスは、3D デジタイザー、レーザースキャナー、ホワイトライトスキャナー、産業用 CT、LIDAR など、さまざまな名称で呼ばれています。これらすべてのデバイスに共通する特徴は、数十万や数百万の測定値によって物理オブジェクトの形状をキャプチャする点です。

3D スキャン専用ソフトウェアが必要な理由

スキャナーは膨大な量のデーアを収集するため、アウトプットを処理して他のソフトウェアが扱えるデータに変換するためには、Geomagic® Design X™Geomagic for SOLIDWORKS®Geomagic Wrap® といった専用のリバースエンジニアリングソフトウェアが必要です。スキャンデータの使用目的に合わせて、リバースエンジニアリングソフトウェアがデータをさまざまな形で処理します。3D スキャンの最も一般的な用途は、リバースエンジニアリング、検査、デジタルアーカイブ、3D プリントです。Geomagic リバースエンジニアリング用ソフトウェアや、Geomagic Control X™ 検査および測定用ソフトウェアは、3D スキャナーの可能性を最大限に引き出すことができる、最も高速で最も使いやすいソフトウェアです。

3D スキャナーをどう使う?

3D スキャニングには画像化の様々な原理にもどついて多くの種類があります。ショートレンジ(短距離)スキャンに最適なテクノロジもあれば、ミッドレンジ(中距離)またはロングレンジ(長距離)スキャンに適した技術もあります。

ショートレンジ用 3D スキャナー

レーザー三角測量や構造化光 3D スキャナーなど、焦点距離が 1 メートル未満の 3D スキャナーです。

3DSystems-Scanners--Laser-Triangulation

レーザー三角測量 3D スキャナー

レーザー三角測量スキャナーは 1 本または 1 点のレーザーをオブジェクトに当てます。対象物が反射したレーザー光をセンサーが捉え、システムが三角測量法によりスキャナーから対象物までの距離を計算します。

レーザーソースとセンサー間の距離はレーザーとセンサー間の角度同様に非常尾に細密です。スキャンしたオブジェクトがレーザー光を反射するので、システムはセンサーに返る角度を識別することができ、したがってレーザーソースから物体表面までの距離も取得することができます。

3DSystems-Scanner-Structured-Light

パターン投影 (ホワイトライトまたはブルーライト) 3D スキャナー

パターン投影スキャナーも三角法を使用しますが、レーザー光を捉える代わりにシステムが対象物上に線形パターンのシリーズを投影します。次に、パターン内の各ラインのエッジを調べることによって、スキャナーから対象物の表面までの距離を計算します。基本的には、カメラがレーザーラインを見る代わりに、投影パターンのエッジを見て、同様に距離を計算します。

ショートレンジ用 3D スキャナー

長所

短所

レーザー三角測量法

  • 多くの形態あり: エリア用スキャナー、ハンディスキャナー、ポータブルアーム
  • ポータブルな製品が多い
  • 部品準備の必要性が低い
  • 周囲光の影響を受けにくい
  • 一般的に精度が低め
  • 一般的に解像度が低め
  • ノイズが高め

構造化光

  • 通常精度が高め
  • 概ね解像度が高め
  • ノイズが低め
  • エリア用スキャナー限定
  • 一般的にやや大型 (ポータブルではない)
  • 表面準備の影響を受けやすい (準備が必要)
  • 特殊な光線が必要な場合あり

ミッドレンジおよびロングレンジ用 3D スキャナー

レーザーパルスベースやレーザー位相シフトの 3D スキャナーなど、焦点距離が 1 メートル以上の 3D スキャナーです。

time of flight scanners image

レーザーパルスベース 3D スキャナー

飛行時間型スキャナーとして知られるレーザーパルスベーススキャナーは、非常にシンプルなコンセプトに基づいています。光の速度は非常に正確に認知されているため、レーザーがオブジェクトに到達し、反射されてセンサーに返ってくるまでの時間が分かれば、オブジェクトまでの距離がわかります。これらのシステムは、ピコ秒単位の正確な回路を使用して、数百万パルスのレーザーがセンサーに戻るのまでにかかる時間を測定し、距離を計算します。レーザーとセンサーを回転させることで (通常はミラーを使用)、スキャナーが周囲を全 360 度スキャンします。

レーザー位相シフト 3D スキャナーによる 3D スキャニング

レーザー位相シフト 3D スキャナー

レーザー位相シフトスキャナーは、もう一つのタイプの飛行時間型 3D スキャナーテクノロジーです。パルスベースシステムと同様のコンセプトに基づきます。レーザーパルスに加えて、これらのスキャナーはレーザー光の力も調節し、送信レーザーの位相を比較して、センサーに返します。位相シフト測定の方がより正確です。

ミッドレンジおよびロングレンジ用 3D スキャナー

長所

短所

レーザーパルスベース

ミディアムからロングレンジ (2m1,000m)

  • 精度が低め
  • データ取得が遅め
  • ノイズが高め

レーザー位相シフト

  • 精度が高め
  • データ取得が速め
  • ノイズが低め

ミディアムレンジのみ