新しいプライベートブランド製品が飲料カテゴリを拡大し続ける中、Schweppes 社のような老舗ブランドは、市場の目から見て常に時代の最先端をいくことをますます求められています。ミキサーやスパークリング飲料のアッパーメインストリームの選択肢としてのイメージを一新するために、Schweppes 社は、オーストラリアのメルボルンを拠点とするパッケージング会社の Birdstone 社に、スパークリングウォーターと炭酸飲料の現代的なデザインを依頼しました。
Schweppes 社の製品は、ガラスと PET (ポリエチレンテレフタレート) を材料としたプラスチックボトルの両方で提供されています。完全なデザイン変更と評価のために、Birdstone 社は各材料の選択肢ごとのデザイン提案とプロトタイプの作成を依頼されました。Birdstone 社は、2 組のプロトタイプを実物と寸分たがわないと納得できるものにするために、Schweppes 社のデザイン変更作業全体を通して、3D Systems のオンデマンド製造サービス部門と連携し、同部門の製造に関する深い専門知識と幅広い技術ポートフォリオを活用して高品質で実物に近いプロトタイプを迅速にお客様に提供しました。
様々な材料による現代的なパッケージのデザイン
パッケージのデザイン変更は、大変な仕事です。製造を一から見直す必要があるため費用がかかるだけでなく、ブランドのビジュアルアイデンティティを賭けた大勝負です。Schweppes 社と Birdstone 社の両社は、デザイン変更の成功を目指して心血を注ぎ、プロセス全体を通してデザインのチェックインと評価を数回実施して、作業が順調に進むようにしました。
Birdstone 社のデザイン & 戦略担当ディレクター Grant Davies 氏は、次のように語っています。「Schweppes 社のためにこれほど大規模なプロジェクトを遂行する上での最大の課題は、複数の材料に対応した外観をデザインすることでした。」幸いなことに、3D Systems のオンデマンド製造チームとのコラボレーションの成功は、このパッケージング会社に対し、デザインに専念し、3D Systems の製造エキスパートにモデル製造を安心してアウトソーシングできることを実証しました。3D Systems のコンサルティングとコラボレーションを組み合わせたアプローチの成功は、プロジェクトのビジュアルと機能の両方の要件に対する明確な相互理解を確立し、迅速かつ正確な見積もりと履行を促進できるかどうかにかかっています。
Birdstone 社は、3D Systems のブリーフィングを受けて理解した上で、Schweppes 社の豊かな歴史を損なうことなく、同社の重要なブランド要3素を現代的に表現する作業に着手しました。デザインの方向性が決まると、プロジェクトはますます複雑になりました。最終的なファミリデザインをガラスと PET の両方で再現できるように、それぞれの材料のデザインワークを同時進行しました。Birdstone 社は Schweppes 社と緊密に連携して複数のデザインを開発し、3 つの異なるコンセプトに仕上げました。それぞれのデザインは、ラベル面積の拡大、よりスマートで高級感のある形状、PET ボトルの容積を 1.1 リットルに縮減するなどの主要目標を達成しました。
デザインを検証するための複数のチェックポイント
新しいパッケージデザインを制作するにあたり、提案されたコンセプトの方向性や影響について、すべての関係者が合意に至るようにするための複数のレビューチェックポイントがあります。デザインコンセプトの信頼性が高まるにつれ、通常、2D と 3D のコンセプトモデルから、視覚化とアニメーション、そして最終的に人の手による評価用の物理的なプロトタイプへと、その表現の複雑さが増します。
そこで、Birdstone 社は、Schweppes 社に新しいボトルの手触りとサイズ感を評価するための初期プロトタイプを提供するために、3D Systems に複数のサイズの 3D プリントモデルを発注しました。この初期の光造形 (SLA) プロトタイプは、マーケティングからオペレーションまでの関係者がレビューとフィードバックを行うコンセプト開発ワークショップの中心でした。この早い段階でプロトタイプを作成することで、意思決定者全員が、ひとつのデザインにさらなる投資を行う前に、フォーマットと方向性について合意できました。
実物そっくりのボトルのプロトタイプの実現
Schweppes 社がデザインに対する社内の賛同を得た時点で、お客様にも試していただく段階となりました。デザイン評価のこの段階では、プロトタイプをできるだけ最終製品に近づけ、新しいデザインとの実際のインタラクションや反応をできる限り現実的なものにすることが重要でした。Birdstone 社は、再び 3D Systems と連携し、プロトタイプの要件の概要をまとめました。ガラスと PET は、それぞれ 2 つの材料独自の最終的な見た目、重量、視覚的特性を確実に再現する必要があります。
ガラスと PET は素材特性が異なるため、異なるアプローチでプロトタイピングを行う必要がありました。3D Systems のオンデマンド製造エキスパートは、創造的思考力と、様々な製造技術や材料に対する深い理解の両方を活かして、望ましい結果を達成するための最適なプロセスについて助言しました。750 ml のガラスデザインについては、3D Systems はアクリル (PMMA) を CNC 切削加工して高品質な研磨仕上げを実現しました。PET デザインの薄さと柔軟性を実現するために、3D Systems は Accura® ClearVue™ を用いた SLA 3D プリントを再度採用して高品質な仕上げを実現しました。3D Systems の Accura ClearVue は、市場最高の透明度を誇る頑丈で丈夫な透明 3D プリント材料です。
Birdstone 社によると、いずれのプロトタイピングプロセスでも、量産グレードの材料から優れたレプリカが作成されたため、Birdstone 社はプロトタイプに自己粘着グラフィックラベルを貼り、いつでも調査できる状態のボトルの見た目を完成させました。
3 つのデザインコンセプトから合計 6 本のボトルを作成し、それらのボトルを対象にした、1 週間の消費者実地調査を実施しました。この結果をもとに最終的なデザインを選択した Schweppes 社と Birdstone 社は、新たに選択した方向性に対する確信を深めました。
プロジェクトがデザインエンジニアリングまで進むと、Birdstone 社は 3D Systems と引き続き連携して各パッケージングサプライヤと最終的なボトルコンセプトを改良し、最終的な製品の仕様に合わせたプロトタイプを 2 セット追加で制作するよう依頼しました。
新しいデザインに弾みがつく
この飲料メーカーは、刷新した Schweppes シリーズを初めて市場投入した後に、継続的に新しいデザインファミリを追加して、ボトルサイズを増やしています。Birdstone 社 ディレクターIain Blair 氏は、次のように語っています。「市場での成功と Schweppes 社のデザインに対する信頼は、実施された有意義な調査に直接起因しています。しかも、それは、3D Systems の高品質なプロトタイプによって可能になりました」
Schweppes 社の新しいボトルデザインは発売以来成功を収め、プライベートブランドとの競争にさらされる中、高品質かつ高付加価値の商品としてブランドのリポジショニングに貢献しました。