英国ポーツマスに拠点を置く Airbus Defence and Space の製造チームは、 3D Systems からコンサルティング サービスと生産サポートを受け、スイッチ アセンブリ網のアディティブ マニュファクチャリング (AM) で革新的設計の開発を手掛けています。同チームは、衛星通信サービスの主要プロバイダー、Eutelsat の軌道上艦隊に加わる 2 基の Eurostar Neo 衛星向けに無線周波 (RF) 受動ハードウェアの設計を行っています。
Airbus 社の HOTBIRD 観測機器責任者 Gareth Penlington 氏は、次のようなプログラムを発表しています。
「今回の導入は、❝ダイレクト メタル プリント❞ を採用した RF 製品の初の大規模プログラムとして認識されており、無線周波コンポーネントの製造において、当社を業界をリードするポジションに位置付けました」
Airbus 社と 3D Systems は、これまで長年にわたり共同で生産開発に携わってきました。3D Systems は、適格性判断と産業化全般に対して継続的に尽力することで、プロジェクトの早い段階から用途の開発とプロトタイプの作成について情報とサポートを提供しています。AM なら、設計の自由度、軽量化、部品パフォーマンスの最適化を実現できることから、この製法がプロジェクトに選定されました。Airbus 社はまた、アセンブリで多大な労働力を削減できるため、チームはより付加価値の高い業務に専念できるうえ、必要な部品点数を大幅に減らせることも、AM を選んだ理由であると言及しています。
高精度の要件を満たすだけでなく、スイッチ アセンブリ網では、肉薄の壁と高い質量濃度の部位を結合させています。3D Systems のアプリケーション イノベーション グループ (AIG) のエキスパートたちは、何十年にも渡り、アディティブ マニュファクチャリングの設計に貢献しており、ダイレクト メタル プリント (DMP) の後処理技術に長けています。社内に航空宇宙アプリケーション エキスパートを有する AM 産業のパイオニアとして、AIG は Airbus 社の評価実施を支援しており、これにより、同社は設計とエンジニアリング全般のリスクを回避しています。初の大規模導入を成功させるため、3D Systems は Airbus 社を支援し、効率的かつ信頼性の高い部品製造フローを考案しました。
3D Systems アプリケーション イノベーション グループの航空アプリケーション開発部門長、Koen Huybrechts は、隠れた成功の原動力について以下のようにコメントしています。
「Airbus 社は、新 RF プロジェクトごとに展望を広げており、これこそ、弊社が賛同するところです。2 社の協働はおのずと真のパートナシップへと進化しました。当社の技術がもたらす機会と制約について情報を提供することで、我々はお客様に投資しているのです。Airbus 社のような好奇心旺盛なお客様との出会いが、継続的かつ共同的な創造とイノベーションにつながります」
最終的なスイッチアセンブリ網は、ベルギーのルーバンにある 3D Systems の カスタマイノベーションセンターにおいて、LaserForm® AlSi10Mg アルミニウム材を使用して DMP Flex 350 プリンタでプリントされました。本施設は航空宇宙品質システム規格 (AS9100D) の認証を得ており、今回のような大規模な産業プロジェクトに対応できる人材と資源を備えています。
3D Systems の AIG のエキスパートたちは、Airbus 社が系統的で実証済みのプロセスによって AM 生産ワークフローを確立し、制御できるよう、適格な生産に向けて段階的なアプローチをとりました。3D Systems の DMP ソリューションでは、ハードウェア、ソフトウェア、材料を適切に組み合わせて、最高レベルの品質と信頼性を備えたプリントを実現します。3D Systems の DMP プリンタの不活性プリント雰囲気によって達成される業界最高クラスの酸素レベル (<25 ppm) により、優れた化学純度を確保し、材料品質の安定性を長期化します。
複雑な金属 AM 部品の産業化実現に向けた協働
Airbus 社と 3D Systems の共同開発は現在も進行中です。プロジェクトには次のような特徴があります。
- DfAM に関するコンサルティングと共同エンジニアリング
- 最適化された RF コンポーネントの産業化に向けた協働
- 膨大な数の複雑な金属 AM 部品の生産