MolyWorks Materials Corporation (Molyworks) 社は、堅実に成長することで需要増加に対応できるよう、3D Systems と提携しました。同社は 3D Systems のダイレクト金属プリンティング (DMP) ソリューションを購入し、社内の積層造形 (AM) の生産能力を向上させつつ、顧客サービスを拡大しました。
3D Systems の DMP Flex 350 ソリューションは、大容量プリントと独自の真空チャンバ機能により、MolyWorks 社のアジリティと効率を向上させました。こうした積極的な改善により、米国空軍との最近の契約など、民間企業顧客や政府機関との関係が拡大し、強化されました。
迅速な設計や製品の反復において、3D Systems の DMP Flex 350 に勝るものはありません。この業界をリードするソリューションを当社の施設に整備したことで、当社のプロセスで 3D プリントできるものについてのビジョンが膨らんでいます。—MolyWorks 社創設者 Chris Eonta 氏
視聴: Molyworks 社が、耐空性に優れた航空宇宙部品の生産能力を向上
課題
生産を合理化し、顧客サービスの可能性を拡大
航空宇宙と防衛の OEM は、設計を最適化することで性能の強化を達成できる最先端の部品の製造を通じてシステムを最適化することを常に目指しています。MolyWorks 社は、既存の廃棄物の流れから金属をリサイクルできる独自技術により、陸海空および宇宙用途向けの 21 合金をすでに製造しています。
高度に規制された航空宇宙市場の顧客のニーズ増加に対応するために、社内の金属 AM 生産能力を拡大し、強化するべく、MolyWorks 社は、3D Systems のアプリケーションイノベーショングループに協力を依頼しました。
DMP は、高出力レーザで溶かした金属粉末の薄いレイヤを使用して、3D CAD データから高品質で複雑な金属部品を造形する AM テクノロジです。DMP は、設計の柔軟性が非常に高く、従来の製造の形状制限を受けません。DMP を使用すると、部品の製造コストは、部品の複雑性にそれほど左右されなくなります。これにより、後処理チェーンを短縮し、サプライチェーンの課題を軽減することもできます。
ソリューション
チタン生産の強化
高品質部品用の金属粉末製造者のワークフローに適合するために、MolyWorks 社は超低酸素レベルを保持できる AM ソリューションを必要としていました。このソリューションにより、完成部品の合金化学を維持できます。
MolyWorks 社は、超低酸素分圧 (>25 ppm) を容易に維持できる独自の真空チャンバ構造を持つ、3D Systems の DMP Flex 350 を選択しました。これは、機械的特性を制御するために強い酸素耐性を持つチタン合金部品にとって特に重要です。真空チャンバ構造は、超低酸素製造環境を維持するだけでなく、アルゴン消費量を削減し、細微なフィーチャディテールを備えた優れた表面仕上げを実現します。
「DMP Flex 350 の独自の真空チャンバにより、当社のプロセスにおいてチャンバ内の酸素を 5ppm まで下げることができます。DMP Flex 350 は、完成品の化学制御を高め、大量の粉末を再利用する点で、競合マシンとは異次元の性能を発揮します」と、MolyWorks 社 AM ディレクタ Devin Morrow 氏はコメントしています。
応用の柔軟性とスピードの向上
3D Systems のソリューションを導入するまで、MolyWorks 社は小型の 3D プリントシステムの制限に甘んじていましたが、
3D Systems DMP Flex 350 を使用すると、MolyWorks 社は、設計、製品の反復、統合コンポーネントの生産を迅速化できます。3D Systems のプリンタの取り外し可能なプリントモジュール (RPM) によって、クリーニングと材料交換によるダウンタイムを最小限に抑え、MolyWorks 社の生産と認証プロセスを迅速化し、開発サイクルを短縮しました。
「DMP 350 を使用することで、プロトタイピングをより大規模かつ迅速に行うことができます。新しい合金に切り替える場合、オンラインに戻すのに数週間もかけたくありません。これらのプリンタを社内に整備することで、同じ部品の 9 つの異なる反復をプリントし、すばやくそれらを順番に切り替えることができます」と、Morrow 氏はコメントしています。
設計から生産まで合理化
DMP は、複雑な形状、不規則な形状、内部チャネル、複雑な表面の質感、内部ラティスを持つ小型の部品を製造するのに最適です。
3DXpert は、ルーチンのエンジニアリング設計プロセスから直接ソリッドモデル上で動作するため、問題がある中間の STL ファイルを扱う必要はありません。CAD ファイルから部品を直接 3D プリントすることで、コンセプトから設計や部品製造までの時間を劇的に短縮します。Oqton の 3DXpert ソフトウェアを搭載した 3D Systems の DMP Flex 350 は、設計からビルド準備やモデリングまで、AM ワークフローのすべてのステップをサポートします。
MolyWorks 社のエンジニアは、3DXpert を使用することで、構造生成、ラティス設計、ジェネレーティブデザインをすべて同じインターフェイス内でサポートできます。このソフトウェアソリューションひとつで、同じ部品内でこれらの戦略のいくつかを組み合わせて 1 か所に保存できるため、複数のソフトウェアパッケージを用意する必要がなくなります。
「DMP Flex 350 を使用して、3DXpert での設計と最適化から生産にシームレスに移行できるため、プロセスを合理化する上で大いに役立ちました」と Morrow 氏はコメントしています。
製造の規模を拡大
DMP Flex 350 は、中型の LPBF (粉末床溶融結合法) システム (275 mm x 275 mm x 420 mm) で利用可能な最大のビルドボリュームの 1 つを備えています。この大型ビルドボリュームは、ほとんどの競合システムのサイズを上回り、完全な柔軟性を実現します。大型部品のプリント以外にも、このスペースを活かして複数の小型部品をプリントしたり、より大型かつより効率的なアセンブリユニットに部品を統合したりできます。
こうして社内の生産能力を拡大させたことで、MolyWorks 社は米国の 5 つの政府機関や、ヘルスケア、自動車、航空宇宙、防衛、石油、ガス、エネルギーの各主要セグメントの重要な民間企業顧客と契約を締結し、事業拡大につなげています。
「3D Systems のユニットを活用し、1 つまたは 2 つの部品の造形から、ビルド上に 10 以上の部品を搭載した完全な造形を行うようになりました。このプリンタで生産し、航空適性試験を実施する予定の着陸装置用コンポーネントの品質に非常に感銘を受けています。今後さらに多くの用途に取り組むことを楽しみにしています」と、Eonta 氏はメントしています。