工業用射出成型当初から、成型表面の温度を均一に維持することは常に課題でした。

均一温度を維持するために、メーカーはバッフル、バブラー管およびヒートパイプを利用してきました。これらはブロックを一緒にラミネートし、複雑なドリルセットアップをその成型に追加しました。

過去10年程度にわたり、コンフォーマルクーリング - 製造されるパーツの輪郭に自然に沿った冷却チャンネルを設計すること - が射出成型温度を管理するソリューションとして位置づけられています。しかし、コンフォーマルクーリングはモールド作製のプロセスにより一層の複雑さを付け加え、ほとんどの工場では手に余るものとなっています。
 

「手堅い手法」

製造現場、積層造形サービスおよび機器販売のワンソースソリューションプロバイダーであるオハイオ州を拠点とする Bastech は、温度の問題と格闘していましたが、コンフォーマルクーリングに新しいレベルのシンプルさ、効率および経済性を導入する方法を見つけました。この企業は 3D Systems 認定ゴールドパートナーであることから、最新の 3D プリントテクノロジーとインテリジェンスにアクセスすることができ、それが研究に役立ちました。

Bastech の飛躍的な発見は、最新の 2 つのベンチマークテストに文書化されましたが、 3D Systems の Cimatron™ 鋳型作成ソフトウェアおよび ProX® 200 ダイレクトメタルプリンティング (DMP) システムに基づいています。コンフォーマルクーリング鋳型設計のシミュレーションは 3D Systems のパートナーである Moldex3D ソフトウェアを使用し、完成した DMP 鋳型は 3D Systems Geomagic® Control ソフトウェアを使用して検査しました。

このプロセスは、デジタル世界と物理的な世界との簡単な統合によるエンドツーエンドの製造ソリューションを表し、すべて 3D Systems 製品を利用しています。

「3D プリントの包括的な機能を活用するように設計された強力なソフトウェアと、わずかな後処理で済む滑らかな表面をもつ十分に緻密な金属パーツを提供するプリンタとの組み合わせは、カスタマイズされた冷却成型を構築するための非常に堅固なメソドロジーを提供します」 Bastech CEO、Ben Staub。
 

デザインと分析の自動化

Bastech の最初のベンチマークでは、非常に類似した 2 つのパーツを、体積、サイズおよびデザイン設定の点で比較しました。一方はコンフォーマルコアで設計され 3D プリントされたもので、他方は標準のスパイラルバッフルで設計されていて通常の手段で製造されました。

コンフォーマルクーリング設計は、見積から設計まで、機械的変更の適用、NC および EDM プログラミングなどの鋳型作成プロセス全体を網羅する CAD/CAM 専門ソフトウェアである Cimatron で作成されました。最新バージョンの Cimatron にはクーリングデザインと分析機能が含まれ、従来のドリルによるクーリングチャンネルと、3D プリントテクノロジーを使用して製造するコンフォーマルクーリングチャンネル両方をサポートしています。

Moldex3D との密接な統合により、Cimatron の射出成型デザイナーはクーリングチャンネルのレイアウトを最適化するための自動化金型充填分析を行う機能を手に入れました。

「Cimatron と Moldex の組み合わせにより経験の少ないエンジニアがより良い品質のデザインを作成する際に役立つ専門のソフトウェアを提供しました」Staub は「経験のあるツール作成者に対する需要は、減少している供給よりもかなり大きいため、主要な考慮事項です」と語ります。

Bastech のエンジニアリングマネージャーである Scott Young はさらに「3D プリンティング向けにデザインするには、実際の要件ベースのデザインを完成するための構造的な支持デザインの理解に加えて、材料費用および積層費用の削減が必要です。このタイプの専門性は Cimatron ソフトウェア内で構築され、当社デザイナーが、複雑な内部チャンネルを定義するために CAD パッケージ経由でのナビゲーションを心配する必要なく、デザインを考えることが可能になります」。
 

時間とサイクルを大幅に節減

最初のベンチマーク用の Bastech のデザインは先細りのらせん状で、工場の組み立てに使用されるスペースコーンの内側に配置されました。コンフォーマルクーリングチャンネルは、一つの側面がコアの外側表面に平行でありつつも一定の距離を維持するような、ティアドロップ構造を回転して作成されました。断面を先細りのらせんに沿って実行することで、Bastech は ProX200 が一回の実行でビルド可能な形状の設計が可能でした。

3D プリント製鋳型のデザインに 2 日間かかり、ProX 200 で 3 日間で積層されました。生産性を最大化するために、Bastech は鋳型成型向けの 3D プリントの実行に、他の Bastech プロジェクトに必要なパーツを組み合わせました。

ProX 200 は従来の製造プロセスのコスト効率の良い代替で、廃棄材料を削減し、製造スピードを向上し、セットアップ時間を短縮し、非常に緻密な金属パーツを作成し、非常に複雑なアセンブリを単一パーツとして生産する機能を提供します。 

「これは鋳型側での当社の性能を強化するツールです」と Staub は語ります。「ターンアラウンドの高いツールが得られ、ショップ内で障害となっている問題を解決します。EDM やドリル操作を削減することで鋳型あたり 30~40 時間節約でき、CNC や研磨作業を劇的に削減します」。

逆流らせんコアでは、Cimatron ソフトウェアでのデザインや分析が、ProX 200 の 3D プリンティングと組み合わされ、プログラミングとショップ時間を 40 時間以上短縮しました。Young によると、全コストを考慮に入れると、 3D プリントしたコアは従来のメソッドと比較して $1,765 (18%) 超の節約になりました。

さらに重要なことに、実行中にコンフォーマルクーリング鋳型は低温を維持し、サイクルタイムを 22% 削減しました。

Staub は言います「温度を僅差で一定にコントロールできる機能があれば、サイクルタイムは、射出成型のほとんどすべてです」。

「温度を一定に維持できればできるほど、品質の高いパーツ一貫して成型できます」と Young は言います。「温度変化やサイクルタイムの低下によるたわみを取り除けば、非常に大きなパフォーマンスゲインになります」。

ベンチマーク結果: バッフル済対コンフォーマルコア
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コアを超える削減

2 番目のベンチマークでは、Bastech はコンフォーマルコアを超えて完全なコア、キャビティ、およびスライド鋳型設定を 3D プリンティング用に設計しました。この場合のゴールは、従来のデザインとコンフォーマルデザインの間で同じ温度 (110F) を維持し、それが冷却およびサイクルタイム結果にどのように影響するかを観察することでした。

コンフォーマルクーリングデザインでは、再び、プログラミング、機械加工および研磨に顕著な時間の節減が記録され、EDM は完全に削除されました。コンフォーマルクーリング鋳型では、Cimatron ソフトウェアでの自動化はデザインタイムを 30 時間からわずか 7 時間に短縮しました。3D プリント製の鋳型の合計費用削減は $2,505 で、16% の削減でした。

冷却時間は、従来の鋳型では 10.5 秒から、コンフォーマル鋳型では 7.5 秒に短縮され、すべての重要なサイクルタイムは 14% 短縮されました。

「従来のものとコンフォーマルクーリングデザインの両方っで温度を同じに維持しても、コンフォーマルデザインのほうが液体をより広い表面面積に押し出すため、鋳型の冷却にはより有効でした」と Young は語っています。

ベンチマーク結果: 従来対コンフォーマルコア
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主要な収益への影響 

「良好な冷却テクニックを長い間待ち望んでいました」Young は続けます。「当社は現在、鋳型作成者がキャビティ、コア、インサートをどのようにセットアップするか、さらにその後ダイレクトメタル 3D プリンティングする際により良い決定を下す手助けとなるソフトウェアを入手しました」。

「射出成型向けの従来の冷却方法では、完璧な条件はありません」Staub は続けます。「数か所に穴をドリルで開けることは可能ですが、3D プリンティング向けに設計されたコンフォーマルクーリング鋳型のように、チャネル周囲の穴を曲げることはできません。当社ではもう、コンフォーマルデザインで妥協する必要はなくあんりました」。

Bastech は ProX 200 DMP システムをオハイオ州および University of Dayton の Research Institute からの助成金で購入したので、結果を産業コミュニティに共有することも会社の使命です。Staub は Bastech のベンチマーク作業があらゆる規模のショップに対して、コンフォーマルクーリングを達成可能な確かで、エンドツーエンドのソリューションがあることを示すように期待しています。

「多くのツールメーカーがショップの向上のために 3D テクノロジーを必要としています」。「当社の成功体験を共有し、他のショップがただ単に可能なだけでなく、収益に主要な影響を与える方法で可能であることを理解していただきたいと思います」。