Rachel Uwimana の顔に望みが見えるようになりました。15 歳のこのルワンダ人は、正常な骨ではなく瘢痕に似た組織が形成される骨の病気、線維性異形成に苦しみ、左目の周囲の頭蓋骨や眼窩骨の外観を著しく損ねていました。

人間の善意、外科的技術、そして 3D Systems の仮想外科手術計画や 3D プリントを始めとする先進テクノロジの組み合わせにより、Rachel は数年前には不可能だと思われていた笑顔を取り戻し、簡単に微笑んだり反応できるようになりました。

新しい始まり

Rachel は線維性異形成の治療をまずルワンダで受けました。医師達はインプラントを含む外科手術を行いましたが、彼女の体は拒否反応を示し、鼻腔のインプラントとの接触面に炎症を引き起こしました。 

彼女のケースは、テキサス州オースティンの Dell Children's Medical Center、Global Health 部門長である、Ric Bonnell 医師の注意を惹きました。Dell Children’s Medical Center はアメリカ最大の非営利ヘルスシステムである Ascension の一部です。Bonnell は医学的な配慮が必要な子供たちを支援する非営利プログラムである Africa New Life Ministries と協力して Rachel をオースティンに招きました。 

Rachel の Dell Children’s での最初の手術は頭蓋顔面骨外科医 Raymond Harshbarger が率いる以下のチームの共同作業でした;コロラド州デンバーのヘルスケアテクノロジーセンターの 3D Systems チーム;神経外科医 Timothy George;感染症医師 Coburn Allen;およびその他の専門家によるサポートチーム。

外科手術のシミュレーション

Harshbarger 医師は仮想計画を早い時期から採用していて、3D テクノロジーを使用して 2000 年代初期に複雑な外科手術を計画した最初の 1 人です。彼は 2009 年に今は 3D Systems Healthcare Technology Center と呼ばれている施設と協力を始め、それ以降仮想手術計画および 3D プリント製のモデルやガイドツールを使用する何百もの手術を行っています。

「Rachel の状態は非常に複雑でした」と Harshbarger 医師は語ります。 「3D Systems 仮想外科手術計画を使って作業することで、様々なアプローチを試してから、最終的なプランを決定することができました」。

2015 年 3 月後半に行われた最初の手術では、ルワンダでの手術で使用された骨セメントの大部分の切除、感染した前頭洞の処置、線維性異形成の切除、Rachel の大腿部からの皮膚移植、骨再形成が行われました。

Rachel の CT スキャンデータを使用して、3D Systems は Harshbarger 医師や他の外科医チームと共にウェブミーティングで手術の手順をレイアウトし、手術室で行われる骨切除をデジタルでシミュレーションしました。

患者特有の手術ツール

最初の手術用に、3D Systems は自社の ProX® 光造形テクノロジーを使用したモデルをプリントしました。それは、外側の骨を取り外した後で Rachel の骸骨の様子を示すモデルでした。 

2 つの手術ガイドも作成されました。一つは Harshbarger 医師が一時的な患者特有のチタニウムメッシュを Rachel の眼窩領域を保護するために配置するのに役立ち、他方は Rachel の骸骨から取り除く必要のある骨の過成長を示すために使用されました。

複雑さに対処する

最初の手術から 5 ヶ月後の二回目の手術で、Harshbarger 医師は Rachel の頬骨、額および眼窩の位置を調整して対称にしました。3D Systems は Harshbarger 医師と協力して再度仮想手術計画を作成し、3D プリント製の頭蓋モデル、マーキングや配置ガイド、さらにテンプレートを作成しました。

「配置テンプレートは Harshbarger 医師が骨に参照マークをつける際の手助けになるように設計され、その後カスタムの PEEK インプラントが設計されたように確実に配置されるのに役立ちました」 3D Systems’ VSP Reconstruction サービスを率いる Mike Rensberger は語ります。 

PEEK はポリエーテルエーテルケトンの略で、KLS Martin が患者固有の頭蓋インプラントの作成に使用する高強度プラスチックです。Rachel のケースでは、2 つにインプラントが、額の骨を、目の周囲の眼窩部および上部ほほ骨に沿ってカバーします。

「デザイン作成時の課題は、美的に正確で手術中にインプラントできる機能的に可能で正確な輪郭を、作成することでした」KLS Martin 社の、CT ベースインプラントスペシャリストである Tirth Patel は語ります。

「3D Systems は Harshbarger 医師と密接に連携し、骨の正確な動きを計画しました」と Patel は続けます。「我々は 3D Systems からデジタルファイルを取り出し、個々のデザインを作成して Harshbarger 医師が額に滑らかな表面を作り出すようにインプラントを完璧に配置する手助けをしました」。

「インプラントは、新しい位置に移動した頬骨まで下がり、直接ドッキングする必要があったため、非常に複雑でした」と Harshbarger 医師は語ります。 「エラーは許容できませんでした。頬骨の動きは非常に正確で、インプラントに完璧にドッキングしました」。

「仮想手術計画および 3D Systems による 3D プリントしたモデル、ガイドおよびテンプレートによりこのような精度が可能になりました」。

二回目の手術は成功し、Rachel の頭蓋修復における主要な問題に対処しました。Harshbarger 医師は、皮膚移植による皮膚の色の違いを修正し、Rachel の頭蓋領域を広げるための将来的な美容外科手術を推奨しています。

希望から機会へ

二回目の手術の一か月後、Rachel は Ascension 組織のメンバーである Seton Healthcare に選ばれてワシントン D.C. に派遣されフランシスコ法王の米国議会での演説を傍聴しました。彼女は Dell Children’s Medical Center のケースマネージャーである Dee Brosnan と一緒に旅行しました。Dee は Rachel のオースティンでの滞在中のホストマザーでした。

Rachel にぴったりなことに、フランシスコ法王は国際協調を通じた希望についてお話しなさいました。 

「私たちは希望を回復し、誤りを正し、約束を守って、個人と全体のより良い幸せを目的とすべきです。私達は、新しい友愛と連帯の下に一つになって前進し、公益のために広い心で協力すべきです」。

2016 年の春現在、Rachel は Brosnan 家に滞在しオースティンの International High School に通い英語を学んでいます。彼女は 6 月までオースティンに滞在して学業を終えたあと、肉体的にも、精神的にも、感情的にも別の人間としてルワンダの家族のもとに帰る予定です。