「私たちの仕事を通して、バーミヤンとその住民がこのユニークな歴史的に重要な景勝地に留まる機会を与えています」と Sekandar Ozod-Seradj 氏は述べています。「また、これを行うことによって、彼らに観光の未来を与え、最終的に平和を見いだすように努力しているのです」

 

 

アフガニスタン中部のバーミヤン渓谷を取り囲む砂岩の崖の中で、2 つの巨大な異彩を放つ壁龕が岩から見えています。これらはかつて、バーミヤンの仏像が鎮座する場所でした。僧侶たちが石から彫り、漆喰で上塗りされた 2 体の巨大石仏です。2 体のうちの大きい方は高さ 53 メートル、小さい方は高さ 35 メートルでした。ガンダーラの芸術の代表例であるこれらの仏像は、それぞれ 554 年と 507 年に建立され、世界で最も偉大な文明の 1 つの遺跡であり、かつては地球上で最大の起立した仏像彫刻でした。しかし、2001 年 3 月 12 日、爆発装置によって 1500 年間存在していた仏像は破壊され、すでに戦争に苦しんだ国から、この地域のギリシャ文化と仏教文化のユニークな融合を明示する極めて重要なシンボルと文化的証拠が奪われました。

破壊された仏像によって残された崖の中の壁龕
破壊された仏像によって残された崖の中の壁龕

 

現在、修復の専門家、建築家、エンジニアたちによる国際チームがバーミヤンの仏像を再建し、アフガニスタン国民のために象徴的な価値の一部を取り戻したいと望んでおり、3D Systems も支援しています。修復チームは、将来の偉業に備えるために Geomagic Wrap ® スキャンソフトウェアとカラージェットテクノロジーを搭載した ProJet® 3D プリンタ 1 台を組み合わせて使用しています。2009 年、修復チームはバーミヤンの仏像を再建する計画立案に着手し、仏像の石室が 2003 年に世界遺産に登録されました。このプロジェクトは、UNESCO (国連教育科学文化機関) とICOMOS (国際記念物遺跡会議) が主導する国と組織の一団によって資金提供されています。

破壊された仏像の 3D スキャン用の主な断片
破壊された仏像の 3D スキャン用の主な断片

復元作業に携わるエンジニアの 1 人である Sekandar Ozod-Seradj 氏 (工学学士) にとって、これは情熱に基づくプロジェクトです。アフガニスタン生まれで、ICOMOS Germany のメンバーである彼は、アフガニスタンの文化とその地にある遺跡に深く根ざしています。Ozod-Seradj 氏は非常に熱心であり、Afghan Rehabilitation Group e.V. (アフガニスタン復興グループ) を設立しました。そのプロジェクトには、アフガニスタン大統領の本部である Del Kusha と Kuti-e Baghtscha という王宮が含まれています。しかし、ICOMOS のメンバーとしては、バーミヤンの大仏の復元が最大の未完了事案であるため、彼は支援のために Geomagic Wrap と ProJet 3D プリンタを導入しています。

Geomagic Wrap は世界中で考古学プロジェクトやアーカイブプロジェクトに使用されています。その理由は、Geomagic Wrap が 3D スキャンデータを高精度なサーフェースモデルに確実に変換し、フィールドで大いに役立つ、習得が容易なユーザーインタフェースが付属しているためです。そのため、大仏のすべての大きな残骸を回収して保管し、漆喰や木の脆弱な多くの断片の目録を作成して木箱に詰めた後、Ozod-Seradj 氏の建築会社 Architects Seradj + の建築士たちが壁龕自体に加えて大きな残骸の断片をスキャンしました。これらの断片は磁気整列と堆積物構造によって測定され、目標は個々の断片がどのように、そしてどこに適合するかをより良く理解することでした。スキャンが完了した後、チームはこれらの膨大なデータを処理し、手作業による穴の修理を行って、Geomagic Wrap で隙間のないサーフェースモデルを作成しました。Geomagic Studio の Mesh Doctor ツールを使用して残骸の破片をメッシュ化して修復した後、カラージェットテクノロジーを搭載した 3D Systems の ProJet 3D プリンタを使用して 1/25 サイズで 3D プリントしました。さらに、壁龕を 3D プリントしました。これらすべてをまとめて、正確なスケールモデルを使用して 1 つ 1 つ仏像を組み立て直すことを演習し、復元の物流管理を計画する予定です。この地域の困難な地形と最終的な復元に必要とされる大型設備を考慮すると、チームはどのような課題がこの先にあるのかを知っておく必要があり、スケールモデルの組み立てによってそれらの課題のいくつかに備えることが可能になります。

アフガニスタン、フランス、イタリア、日本、ドイツからの専門家による国際チームは、地域の市民の高まりつつある積極的な姿勢を既に目にしています。そして、その姿勢が将来的に広がることを期待しています。「私たちの仕事を通して、バーミヤンとその住民がこのユニークな歴史的に重要な景勝地に留まる機会を与えています」と Sekandar Ozod-Seradj 氏は述べています。「また、これを行うことによって、彼らに観光の未来を与え、最終的に平和を見いだすように努力しているのです」

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