伝統的なジュエリーデザインは緻密な段階的プロセスです。労力と材料は宝石商と顧客の両方にとって大きな投資であるため、信頼は取引の双方にとっての基本的な要件です。従来のデザインは、顧客が確認するためのアーティストによるスケッチから始まります。スケッチが承認されると、ワックスから彫刻され、鋳造の前に再確認されます。ワックスモールドが元のスケッチに十分に近くない、またはその他の点で顧客の期待に応えていない場合は、やり直さなければなりません。さもなければ、顧客は信頼を失い、宝石商はビジネスを失うことになります。いずれにしても、このプロセスには多大な時間が費やされ、通常は 2〜3 週間程度かかります。

Uptown Diamond のリングのプロファイルテキサス州ヒューストンにある Uptown Diamond and Jewelry は、顧客の期待が繰り返し満たされるだけではなく、オーナーである Rick Antona 氏の事業能力への信頼がしっかりと強化される方法を見つけました。Uptown Diamond の半ば公然の秘密とは?3D Systems の ProJet® ワックス MultiJet 3D プリンティングソリューションです。

MJP 3D プリンタは、卓越した表面品質と極めて繊細なフィーチャを備えた非常に微細なワックスパターンを生成し、ジュエリーなどの複雑なダイレクトインベストメント鋳造用途に理想的です。VisiJet® RealWax™ 材料に適合するワックス 3D プリンタは、生産性の高い 11.75 x 7.2 x 8 インチ (298 x 183 x 203 mm) のビルドプラットフォーム内で正確な鏡面標準ワックス鋳造を作り出します。

Uptown Diamond は、製造プロセスのスピードアップと高品質な製品の確保の両方を望んでいたため、3D プリントをワークフローに組み込むことを決定しました。コスト削減も大きな動機の 1 つでした。優勝リングはジュエリービジネスの大きな収入源の 1 つですが、それらを鋳造するために従来から使用されているモールドには 4,000~7,000 ドルのコストがかかります。一般的なワックス鋳造の場合、Uptown Diamondは CNC 工作機械に精通していましたが、それでも必要とされる時間は相当なもので、1 つの加工につき 4〜5 時間が必要でした。

同社の調査によって 3D プリントに行きついた際、Rick Antona 氏はテキサスに拠点を置く 3D Systems の再販業者である Laser Imaging の Jason Applewhite 氏に連絡しました。Jason 氏の助けを借りて、Rick 氏は 100% RealWax マイクロキャスティング向けの ProJet MJP プリンタを選択しました。彼のビジネスはそこから着実に成長しています。

ProJet プリンタにより、Uptown Diamond では 10 時間以内に鋳造する準備が整っている最大 50 種類のワックスデザインを同時にプリントすることができます。また、同社ではわずか 2 時間で 1 つのワックスパターンをプリントすることができます。これは、現在では同じ日に複数の顧客のためにワックスをカットして鋳造する能力があることを意味します。さらに重要なことに、同社は現在、複雑さに関係なく顧客の要求を満たす能力に比類のない自信を持っています。「以前は愉快でばかげた要求を断らなければなりませんでしたが、それは本当にもどかしいものでした」と Uptown Diamond のグラフィックデザイナーである Alberto Chavez 氏は述べています。「現在では問題ありません。断る必要は一切なくなりました。ProJet ワックス 3D プリンタは私たちに何でも実行する自信と能力を与えてくれたのです。」

Uptown Diamond の R2 D2 リングをはめた花嫁可能な幾何学的形状の制限がないため、3D プリンティングによってデザインの創造的な実験が可能になりました。Uptown Diamond の社長である Grayland Noah 氏によってデザインされたスターウォーズ愛好者のカップルのための R2D2 を模した婚約指輪など、Uptown Diamond は非常に複雑で個人的なプロジェクトを引き受ける機会を得ました。「このマシンを使ってできることは驚くべきものです」と Grayland 氏は述べています。「今や私たちのために働いてくれるこの 3D プリンタがあるので、非常に多くのユニークで個人的なプロジェクトに取り組むことができます」

ProJet MJP wax 3D プリンタには、思いがけない利点もありました。このマシンを手に入れる前、Uptown Diamond は優勝リングで競合他社と同レベルにあり、プレゼンテーションのアートワークと高コストのモールドという同じ困難に直面していたと Rick 氏は語っています。Uptown Diamond は、ProJet プリンタをマーケティングツールとして使用して、見込み顧客にあらかじめワックス鋳造モデルを見せることができるようになり、Rick 氏のビジネスは信頼感を獲得する大きな優位性を得ています。

3D プリンタは、Uptown Diamond のプロセスの不可欠な一部であり、今やカスタマーエクスペリエンスの一部にさえなっています。Uptown Diamond は、稼動中の 3D プリンタを見せるために顧客を作業場に招き入れています。「このプリンタを見せると、お客様は常にエキサイティングしています」と Uptown Diamond の運用マネージャーである Kam Mack 氏は述べています。「これはお客様がここで得られる体験であり、当社を競合他社から際立たせています。また、お客様もプロセスに関与することになります。お客様は実際に独自のジュエリーをデザインして、プロセス全体を確認することができます。最初から最後までとても刺激的で、楽しく、ユニークな体験です。」

Uptown Diamond の財務担当者である Kevin Gordon 氏が 3D プリンタによる同社の投資収益率を評価したところ、Uptown Diamond に毎月約 20,000~25,000 ドルをもたらす一方、コストは約 1,600 ドルであることが分かりました。オーナーの Rick Antona 氏は次のように語っています。「これを持っていなければ、今いるところに私たちはいなかったでしょう。私たちは 1 日 24 時間/週 7 日稼働させています。また、このプリンタなしには、私たちのビジネスが同じものにならなかったことを理解しています」

Uptown Diamond の 3D ワックスプリンタの話題はすぐに街中に広がり、その結果、他のジュエリー会社は 3D モデルを Uptown Diamond に注文し始めました。Rick 氏は現在、需要に対応するためにのみ 2 台目の 3D プリンタを入手することを検討しています。驚異的な成功と 3D プリンタがジュエリーの品質およびターンアラウンドに与えた影響を考えれば、Uptown Diamond が ProJet MJP wax 3D プリンタを当社の宝石だと見なしていると言っても間違いではありません。

Uptown Diamond の R2 D2 リングのレンダリング